Share

第306話 こんな息子、もういらない

Author: 夕凪
last update publish date: 2026-11-01 18:26:20

第306話 こんな息子、もういらない

蓮は鼻で笑い、わずかに顎を上げると、至極真面目な顔で言い放った。

「そうだ」

――お前は俺の女でも何でもないんだから、気にする必要なんてない。

「さっさと出ていけ!」

翔太は心が折れそうになった。

――見ろよ、これが友達にする仕打ちか?

女にうつつを抜かして、人情まで捨てちまう男ってのは、こういうものなのか。

「分かったよ。この建物には泊まらない。別棟に泊まる……これなら文句ないだろ?」

今度は蓮も反対しなかった。

「だったら、さっさと消えろ」

翔太は言葉を失っ

Continue to read this book for free
Scan code to download App
Locked Chapter

Latest chapter

  • 婚約者を寝取られた夜、財閥御曹司に溺愛されました   第308話 蓮様、ついに愛を告白!

    第308話 蓮様、ついに愛を告白!美月のスマホは確かに少し熱くなっていた。時間を確認してみると、やはり一時間以上も話していた。そこで、雅に別れを告げて通話を切った。すると、電話を切った途端、蓮が腰に腕を回して抱きついてきた。「母さんとはあんなに長くビデオ通話してたのに、俺とはほんの少ししか話してないじゃないか。いいか、今度は俺ともたっぷり話してくれよ。少なくとも一時間はな!」美月は思わず口元を引きつらせた。――そこまで気にするの? まるで三歳児じゃないか。相手にするのも面倒で、腰に回された腕を振りほどこうとした。「離して。お風呂に入るから!」蓮はまだ食い下がった。「まだ答えてないぞ! 今度は俺とも一時間以上ビデオ通話するんだからな」美月は絶句した。「……」彼女は横目で蓮を見た。蓮は不満そうでありながら、妙に真剣な顔をしていた。美月は思わずまた口元を引きつらせ、それから適当にうなずいた。「はいはい!」――どうせ、そのときになってみないと分からない。ところが、この返事だけで蓮はすっかり満足したようだった。そして案の定、調子に乗り始めた。「今夜は一緒にラブラブでお風呂に入ろう! ほかの夫婦にできることが、俺たちにできないはずないだろ?」美月は言葉を失った。「……」

  • 婚約者を寝取られた夜、財閥御曹司に溺愛されました   第307話 嫁姑の仲が良すぎるのも考えものだ

    第307話 嫁姑の仲が良すぎるのも考えものだ雅はこれまで、お金に困ったことなど一度もなかった。それに、たかが一千万円など、彼女にとってははした金も同然だった。別のスマホを取り出すと、あっという間に送金手続きを済ませた。「美月ちゃん、今日はゆっくり時差を調整して、明日はショッピングに行きなさい。欲しいものがあれば、何でも好きなだけ買っていいのよ」蓮がまた横から顔を出し、皮肉たっぷりに言った。「ふん、たった一千万ぽっちで、よく俺の嫁に好きなだけ買えなんて言えるよな。そんなんで、よく俺の母親名乗れるよ」美月は言葉を失った。「……」――この人、いったい何がしたいの? 母親と縁でも切るつもりなのかしら?「お母さん、彼の言うことなんて気にしないでください……」そのとき、美月のスマホにメッセージが届いた。表示された金額を見た途端、彼女は目を大きく見開いた。「お母さん、この五千万円、振り込んでくださったんですか?」――さっきまで一千万円と言っていたのに、どうして一気に五倍になったの?しかも、これは蓮が口を挟む前に、すでに振り込まれていたものだった。雅はすっかり機嫌をよくし、優しい声で言った。「たかが五千万円よ。まずは好きに使いなさい。明日のショッピングの分も、また母さんが送ってあげるから。女の子は自分を大切にしなくちゃだめよ」「お母さん、本当にもう大丈夫です。これ以上送らないでください&

  • 婚約者を寝取られた夜、財閥御曹司に溺愛されました   第306話 こんな息子、もういらない

    第306話 こんな息子、もういらない蓮は鼻で笑い、わずかに顎を上げると、至極真面目な顔で言い放った。「そうだ」――お前は俺の女でも何でもないんだから、気にする必要なんてない。「さっさと出ていけ!」翔太は心が折れそうになった。――見ろよ、これが友達にする仕打ちか?女にうつつを抜かして、人情まで捨てちまう男ってのは、こういうものなのか。「分かったよ。この建物には泊まらない。別棟に泊まる……これなら文句ないだろ?」今度は蓮も反対しなかった。「だったら、さっさと消えろ」翔太は言葉を失った。「……」――そんなに追い立てることないだろう?分かったよ。これ以上ぐずぐずしていたら、別棟にすら泊めてもらえなくなりそう。翔太は仕方なく立ち上がった。「じゃあ、美月、俺は先に行くよ。また明日!」「明日なんかない。さっさと消えろ」――こういう距離感のない奴が一番嫌いだ。夫婦二人きりの時間くらい、邪魔せずにそっとしておけないのか?翔太は蓮に白い目を向けた。――この男、もう救いようがないな。ここまで心が狭いと、ある意味たいしたものだ。蓮は翔太がようやく出ていったのを確認すると、すぐにス

  • 婚約者を寝取られた夜、財閥御曹司に溺愛されました   第305話 蓮の奴、やっぱり薄情だ

    第305話 蓮の奴、やっぱり薄情だ食事が終わる頃には、蓮の機嫌はすっかり最悪になっていた。どっしりと腰を据えて動こうともしない翔太を、うんざりした目で睨みつけた。「で、言うのか?」――夜の時間は貴重だ。一分一秒だって無駄にはできない。それなのに、こんなところで時間を浪費させられているなんて。蓮は腹が立って仕方なかった。いっそ、この場で翔太を蹴り出してやりたいくらいだった。――今後、いや、明日にでも門のところに看板を立てさせてやろう。翔太というろくでなし、立ち入り禁止。翔太はそんな蓮を見て、呆れたように言った。「何をそんなに急いでるんだ? 食べ終わったばかりなんだから、食後のフルーツくらい出てくるだろ?」「さっさと出ていけ!」蓮は立ち上がり、今にも翔太を外へ放り出そうとした。本気だと察した翔太は、慌てて両手を振った。「待て待て! 言うよ、今すぐ言うから!」「今日、美月と同じ飛行機に乗っていた、あの白井優香のことだ。実は、ちょっと気になることが分かったんだ」白井優香の名前を聞いた途端、蓮の顔がたちまち険しくなった。「そのことだけ?」その声には、明らかな威圧感がこもっていた。翔太はそんな蓮の表情など気にも留めず、話を続けた。「まあ、これだけじゃないけどな。だが、かなり重要な話なんだ。聞いたところによると

  • 婚約者を寝取られた夜、財閥御曹司に溺愛されました   第304話 せっかくのいい気分が台無しだ

    第304話 せっかくのいい気分が台無しだ蓮の一喝で、翔太は危うく鼓膜が破れそうになった。幸い、彼はとっさにスマホを耳から離し、向こうが怒鳴り終わるのを待ってから、再び耳に当てた。「おい、蓮! ドアを開けろよ! 俺は外にいるんだぞ! お前が中にいるのは分かってるんだからな……」「要件を言え」蓮の機嫌はすこぶる悪かった。――せっかくの二人きりを邪魔しやがって。こんな奴に愛想よくする気なんて起きるわけない。翔太は言葉を失った。「……」この野郎、クソったれが。「もちろん、大事な用があるんだよ。それに、早くドアを開けろ。忘れ物をしたんだ。まあ、開けたくないならそれでもいいけどな。どうせ俺は今夜、帰らないからさ……そうだ、明日は美月に、お前が子どもの頃にやらかした大騒動の話でもしてやろう。彼女、きっと喜んで聞いてくれるぞ……」――さあ、どうする? やるならお互いさまだ。俺がやれないとでも思ってるのか?蓮は言葉に詰まった。「……」――明日こそ、こいつを埋めてやる。よくもまあ、この俺を脅す気になったものだ。蓮は声を低くして言った。「そこで待ってろ。今、開けてやる……」そう言い終えると、彼はそのまま通話を切った。そしてスマホを何度か操作

  • 婚約者を寝取られた夜、財閥御曹司に溺愛されました   第303話 来るはずのない奴

    第303話 来るはずのない奴蓮は美月の皿に、次々と料理を取り分けてやった。テーブルに並んだ海鮮料理を眺めていた美月は、少し考えてから口を開いた。「赤ワインを注いでくれる?」その言葉を聞いた途端、蓮の目がぱっと輝いた。「おう、任せろ!」彼は慌てて美月の前にあったジュースを下げ、デキャンタに移しておいた赤ワインを、二人のグラスに手早く注いだ。そして、美月の前にグラスを置いた。「このワインもすごくうまいぞ。そんなに酔わないから、安心して飲めよ」美月は「うん」と軽く答え、一口含んだ。――さすが高級ワインだけあって、確かにおいしい。蓮は彼女が気に入った様子で飲んでいるのを見て、嬉しくなった。しかも、どこか得意げでもあった。「このワイン、友達からくすねてきたんだ。気に入ったなら、今度また何本か持ってくるよ」美月は言葉を失った。「……」――「くすねてきた」って、つまり盗んできたってこと?だとしたら、蓮と知り合ったばかりに、その友達もとんだ災難ね。見間違いでなければ……このワイン、一本で少なくとも四百万円はするんじゃないかしら?「このステーキも食べてみろ。うまいぞ」蓮はステーキを一切れ取り分け、美月の皿に置いた。美月が一口食べると、目がぱっと輝いた。「このお

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status